2026年2月18日(シュヴィヤール「オートフィクティフ」)
6144
三十冊もの本を書き、生涯にわたり自分自身を映す鏡のような唯一無二の作品集を作り上げた彼――沈黙を愛し、そしてなにより希少な言葉を大切にした私の義父、ブリュノ・ドュボルゲル*がこの世を去ったと認めろだって? そんなの信じるもんか!
「とにかく」はお喋り好きがお気に入りの口癖である。
頁はめくられる。いつも通りの、当たり前のことだ。わたしたちが愛するあらゆる文学がそこに印刷されているのでなければ、そのことを嘆く理由もないだろう。
--
*ブリュノ・ドュボルゲル氏はジャン・モネ・サン=テティエンヌ大学で美学・芸術学の教授を務め、イコンおよびイコノクラスムの問題、カジミール・マレーヴィチやピエール・スラージュをはじめとする近現代画家、子どもの絵の分析などをめぐって三十近くの著作を残した。
翻訳者は、彼の最後の著作となった「Philippe Favier : Image en clef de Mozart」(2025年)の刊行記念の会にて少しお話ししたのが、生前にお会いする最初で最後の機会となった。
2026年3月5日、シュヴィヤールの新作小説「Jaune soleil」ならびに「Monotobio」文庫新装版がミニュイより発売予定。
エリック・シュヴィヤール(Éric Chevillard)のブログ「オートフィクティフ(L'Autofictif)」はこちら
L'Arbre vengeur社刊行のバックナンバーはこちら
翻訳 稲田紘子