2026年1月12日(シュヴィヤール「オートフィクティフ」)
2026年1月12日
いまや世界は、頭のおかしい呑んだくれの暴君によって治められるようになってしまったようだ。そいつの采配のもとで崩壊寸前の地球を、武装闘争が血でぬらし、せり上がる最後の波が呑みこんで消しさっていく。いっぽうのわれわれは自分たちの知性をロボットに明け渡し、ただ愚かであることに腐心しさえすればよいというのだ。
ところが文学のほうはといえば、すっかり優等生になってしまった。大義のために闘い、行きすぎには気をつけ、教訓のための寓話を提供し、罪をあがなってくれる。ハゲワシにとっての死体以上にちょうどよく読者にお供えされている今日の文学は、家族の絆を回復し、わたしたちに寄り添ってくれ、癒やしの効果まであるのだ。
まったく・・・・・・本当は逆のはずではなかったか? 世界は賢さと分別、公正さをもって治めるのがよく、そして文学においては、禁じられることは何もなく、どんなイマジネーション、馬鹿馬鹿しさ、ファンタジー、暗黒趣味、あらゆる狂気さえも、やりすぎということはないはずではないか? というわけで物事を本来あるべき位置に戻すことにしよう。トランプとプーチン、金正恩には執筆をさせておき、作家たちにこの世界を上手に管理してもらうことにしよう。
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翻訳 稲田紘子