2007年12月17日(シュヴィヤール「オートフィクティフ」)

2007年12月17日


崖の縁までたどり着き、虚空に身を投げる覚悟を固めた。ところが身を乗り出して目に入ったのは、岩の上で無惨に砕け散っているどころか、笑いながら潮だまりでエビを釣っている2人の子どもだった。つまり下じゃ死ねないのだ、と私は思い、飛び降りるのを断念した。



なんて無遠慮なんだ、この建設作業員たちは! たった1人の左官が立てる騒音は、仕事中の100人の作家が立てる音より大きい――作家たちも各々、注目を集めようと頑張っているのに。



ナルキッソスは突如、自分が失明してしまったのだと思った。とり乱した彼は手探りで街路をさまよう。助けを求められた医者たちは、何が何やらさっぱり分からない。病の原因を見抜いたのは蛙だった――「泉にもう水がないケロ」ということらしい。


 

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翻訳 稲田紘子