2013年7月8日(シュヴィヤール「オートフィクティフ」)

1971


最初に味わったときを過ぎてしまえば、感覚は自らが担っているつもりの、現実を把握するという役割を果たさなくなる。というのはこの感覚なるものは、あの古びた体験までもを呼びさまし、われわれを記憶の夢想へと連れ去るのだが、この夢じたい想像によって変形させられているのだから。つまるところ現実はつねに逃げ去り、ただ痛みだけがその存在を証し立てる。残るのは幻想のヴェールが覆い隠すことのない、あの神経のひりひりとした苛立ちだけなのだ。



金属製の万年筆が切り裂くと同時に、インクの糸が縫いとじる――それが書くということだ。



作家は自らが進歩して、現実をよりよく理解できるようになったと信じたがっているが、実際にはますます自分の巣穴にはまり込み、自分が掘ったトンネルを照らすことすら決してできないのだ。


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オートフィクティフ(L'Autofictif)」は作家のエリック・シュヴィヤール(Éric Chevillard)によるブログで、2007年9月から現在に至るまで、ほぼ毎日更新されています。全アーカイヴが毎年1月にL'Arbre vengeur社より刊行。

翻訳:稲田紘子