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2010年8月5日(シュヴィヤール「オートフィクティフ」)

969 はるか先のことだがいつか必ず訪れる、もはや幼年時代のことしか思い出せなくなるその日を見越して、子どもたちに宝くじの遊び方、ブリッジやドミノのルール、それから老年医療の基礎知識をいくらか教えておくのがよいだろう。 うとうとするきみの頭がきみの父の肩にもたれかかるやいなや、もうきみの肩に、きみの子どものうとうとする頭がもたれかかっている。こうした全てはじつにあっけなく、まどろみの靄のなかで体験されるにすぎない。けれどもこれらが、われわれのもっとも美しい感覚のうちのふたつなのだ。 生まれたばかりの子どもの泣き声は、海鳥の鳴き声に似ている。ところで赤ちゃんに塗られる痒み止めの軟膏は、非常に強い魚のにおいを放つ。だからごめんねスジ、わるいけどきみをイワシ漁船のあとを飛んでゆく若いカモメと見紛うときがあるんだ。 - 「 オートフィクティフ(L'Autofictif) 」は作家のエリック・シュヴィヤール(Éric Chevillard)によるブログで、2007年9月から現在に至るまで、ほぼ毎日更新されています。全アーカイヴが毎年1月に L'Arbre vengeur 社より刊行。 翻訳:稲田紘子